先日、県外の方にこう聞かれました。
「座間のおみやげって、何がありますか」
すぐに答えられませんでした。
座間には、誇れるものがあります
誤解のないように書いておきたいのですが、座間に何もないわけではありません。
夏のひまわり畑は、県内でも有数の規模です。相模の大凧まつりは江戸時代から続く行事で、あれだけの凧を揚げる地域はそう多くありません。市内には湧水もあり、水のきれいな土地です。
畑もあります。市内には今も農地が残っていて、季節ごとに野菜が穫れます。
それでも「おみやげは?」と聞かれると、言葉に詰まる。持って帰れるかたちになっているものが、少ないのだと思います。
もちろん、私が知らないだけかもしれません。市内の良いお店を全部知っているわけでもありません。ただ、自分が答えられなかったという事実は、しばらく引っかかっていました。
うちの芋も、座間産ではありません
当店は、座間市立野台の自宅前で冷やし焼き芋を売っています。
でも、焼いている芋は座間のものではありません。徳島県鳴門市の吉成農場さん、鹿児島の産地、神奈川県愛川町の菊子自然農園さん。全国の畑を訪ねて、その土地の芋を選んで仕入れています。
「土が違うと、芋が変わる」。これが当店の掲げている言葉です。産地を選ぶことに、嘘はないつもりです。
ただ、座間で売っているのに、座間の芋がない。
お客さまに「これは座間の芋ですか」と聞かれて、「いいえ、徳島です」と答えるたびに、少しずつ気になっていました。
来年、座間で芋を育てます
2027年、市内の畑でさつまいもを育てます。広さは5畝、500平方メートルほど。大きな面積ではありません。
品種は紅はるか。収穫は秋です。
そして、その芋で加工品をつくりたいと考えています。焼き芋はそのままでは日持ちしませんが、加工すれば遠くへ運べます。おみやげになります。
いま考えているのは、さつまいもとバターだけでつくるスプレッドです。パンに塗る。砂糖は入れません。焼き芋屋がつくるのだから、蒸した芋ではなく、焼いた芋でつくりたいと思っています。
名前も考えています。座間の土から生まれるものなので、「座間土」と書いて「ざまんど」。まだ決定ではありません。
ひとりではできません
正直に書きますが、この計画はまだ何も確定していません。畑も、これから借りる段階です。
私には本業があります。神奈川の酒蔵で、18年ほど日本酒を造っています。秋から冬は仕込みの時期で、店に立てない日もあります。
それでも、やってみたいと思っています。
農家さんに教わりながら、市内のお店に置いていただきながら、少しずつ。特産品というのは、ひとりでつくるものではなく、その土地の人が「うちのものだ」と思ってくれて初めて成立するのだと思います。
だから、まず知っていただくところから始めます。

座間にお住まいの方へ
当店は、立野台の住宅街にある小さな無人販売所です。土曜と日曜の11時から17時まで、冷蔵ショーケースを開けています。
散歩のついでに寄ってくださる方、お子さんと一緒に来てくださる方、近所だからと何度も来てくださる方。この店は、座間の方に支えられて続いています。
もし「座間でこんなことをやっている人がいる」と思っていただけたら、それだけでうれしいです。
いつか県外の方に「座間のおみやげは?」と聞かれたとき、胸を張って差し出せるものを、この街につくりたいと思っています。



