冷やし焼き芋専門店 imosuke
さつまいもの皮に黒く固まったヤラピン
Sweet Potato

さつまいもの皮の黒いもの、蜜ではありません

ヤラピンの正体と、焼く前にしていること

imosuke

Contents

  1. 正体は「ヤラピン」
  2. 黒い跡があっても、甘いとは限りません
  3. 本当の蜜は、断面に出てきます
  4. ヤラピンは、悪いものではありません
  5. だから、焼く前にひとつずつ削っています
  6. ご家庭で気になるときは

店頭でお客さまから、よくこう言われます。

「皮に蜜が出ていて、おいしそうですね」

生のさつまいもの皮についている、黒くて固いかたまり。ヤニのように見えるあれです。

実は、蜜ではありません。

正体は「ヤラピン」

さつまいもを収穫するとき、切り口から白い液がにじみ出てきます。乳液のような、とろりとした液体です。これをヤラピンといいます。さつまいも特有の成分で、ほかの野菜ではあまり見かけません。

この白い液が空気に触れて酸化し、乾いて固まると、あの黒い跡になります。畑で乾いた液が、そのまま皮に残っているだけなのです。

黒い跡があっても、甘いとは限りません

「黒い跡があるのは甘い芋だ」という話を聞いたことがある方も多いと思います。

残念ながら、これは正しくありません。ヤラピンの跡と、芋の甘さに直接の関係はないのです。

見た目が本当に蜜そのものなので、そう思いたくなる気持ちはよく分かります。私も最初はそう思っていました。

割った焼き芋の断面にあふれる蜜
Honey appears when it is roasted

本当の蜜は、断面に出てきます

では、焼き芋の蜜はどこにあるのか。

焼いたときに、断面からあふれてくるものです。皮の表面ではなく、中から出てくる。割った瞬間に、黄金色の断面がとろりと光る。あれが蜜です。

つまり、こういうことです。

ついている場所も、できる時期も、まったく違います。生の芋の表面を見て蜜だと思ったら、それはヤラピンです。

ヤラピンは、悪いものではありません

ヤラピンそのものは、体に悪いものではありません。お腹の調子を整える働きがあるといわれています。

ただ、ひとつだけ困ったことがあります。畑で乾いて固まる液なので、土や小石を一緒に巻き込んでいることがあるのです。

そのまま焼くと、皮ごと食べたときにジャリッとします。せっかくの一本が、台無しになってしまう。

ヤラピンを削り取ったあとの、白くえぐれた皮
Scraped off one by one, before roasting

だから、焼く前にひとつずつ削っています

imosuke では、焼く前にヒゲを取り、黒く固まったヤラピンを一本ずつ削り取っています。

上の写真の、白くえぐれているところ。これが削り取ったあとです。

地味な作業です。何本も並べて、黙々と削る。誰も見ていない工程です。

それでもここを省かないのは、冷やし焼き芋は皮がいちばん香るからです。皮ごと食べていただけなければ、いちばんおいしいところを捨てることになってしまいます。

先日、通販でお買い上げいただいたお客さまから「皮もおいしかった」という感想をいただきました。誰にも見えない工程なので、あの一言には本当に救われました。

収穫したさつまいものヒゲを炎で焼く工程
Farmers burn off the fine roots at harvest

ご家庭で気になるときは

スーパーなどで買われた芋に黒い跡があって気になるときは、その部分の皮を薄く剥いてから調理してください。ゴツゴツしているところだけで構いません。

農家さんのほうでも、収穫のときに炎でヒゲを焼き落とす工程があります。上の写真がその機械です。それでもヤラピンは完全には防げません。

農家さんも、ヤラピンが付かないよう気をつけて収穫されています。それでも完全には防げないものです。極端でなければ、品質の問題ではありませんので、安心して手に取っていただけたらと思います。

知って選ぶほうが、きっとおいしい。そう思っています。

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